変数とデータ型

変数の基本

変数は値を保持するための名前付きの入れ物です。
Pythonでは宣言不要で代入するだけで変数が作られます。
変数に何を入れるかを明確にし、意味のある名前を付けることが読みやすいコードの第一歩です。

 

代表的なデータ型

数値型には整数(int)と浮動小数点(float)があります。
算術演算は + – * / // % ** などで行います。
文字列(str)はシングルかダブルクォートで囲みます。
文字列は不変(immutable)であり、操作の結果は新しい文字列として返されます。
ブール(bool)は論理値で True または False を取ります。
None は値が存在しないことを示す特別なオブジェクトです。

# 型の例と確認
a = 10
print(type(a))  # <class 'int'>

b = 3.14
print(type(b))  # <class 'float'>

s = "Hello"
print(type(s))  # <class 'str'>

 

型の確認と変換

type() 関数で変数の型を確認できます。
必要に応じて int(), float(), str() で明示的な型変換を行います。
文字列から数値へ変換する場合は例外が発生する可能性があるため、入力値の検証や try / except による保護が重要です。

# 型変換の注意
n = "123"
try:
    num = int(n)
except ValueError:
    print("数値に変換できません。")

 

演算子と優先順位

算術演算は優先順位に従って評価されます。
掛け算や除算が先に評価され、必要に応じて括弧で明示することで意図をはっきりさせます。
比較演算子や論理演算子は条件判断に用いられ、条件式の読みやすさを意識してください。

# 演算子の例
print(3 + 4 * 2)    # 11
print((3 + 4) * 2)  # 14
print(5 / 2)       # 2
print(5 % 2)        # 1

 

命名規則と慣習

変数名は英字、数字、アンダースコアを組み合わせて作りますが、先頭は英字かアンダースコアにしてください。
予約語(キーワード)は変数名に使えません。
PEP8 の慣習として、変数名は小文字とアンダースコアのスネークケースを推奨します。
参考(PEP8): https://peps.python.org/pep-0008/

 

よくあるミスと注意点

数値と文字列を混同すると TypeError が発生します。
また、浮動小数点は内部表現のため比較時に誤差が生じることがあるので、丸めや許容誤差を考慮してください。

# 注意例
s = "123"
# print(s + 5)  # エラーになる例

# 浮動小数点の注意
print(0.1 + 0.2 == 0.3)  # False となることがある